今日もなんだか騒がしい

宣伝スタッフの美姫がラジオのネタを探します。

CO2排出ゼロなら、マンションも電気自動車も作れなくなるね。

先日、ツイッターにも書いて、今回はラジオにも収録したんですが、脱炭素はいいんですけど、CO2排出量ゼロって、本当に全く出さないこと考えてるのかしら。

人も動物も、二酸化炭素を出します。それは勘定に入れないことにしても、電力を自然エネルギーにしただけでは、ゼロなんて無理です。

金属に限らず、工業用の素材。建物や電気自動車から、スマホに至るまで、工業製品の原材料を生成するには、化学反応を利用します。

例えば、鉄鉱石を溶かせば鉄になる、なんて勘違いしてませんか?

鉄を作るには、鉄鉱石を高熱で溶かす際に、溶媒として、コークスや石灰石を入れて、鉄の酸化物と一酸化炭素が還元反応をおこして、鉄になります。

その際、二酸化炭素も出てきます。実際、日本の二酸化炭素排出量(2016年)の14%は鉄鋼業によるものです。

そのほか、亜鉛も製造過程で二酸化炭素が出ます。

アルミやアルミニウムなどの非鉄金属は、電気溶解炉をつかったり、電気分解やケミカル反応で製造するので、その過程では二酸化炭素を出さないものが多いです。

www.n-coke.com

ただ、セメントやカーボンファイバーを製造する際にも二酸化炭素が排出されます。

そもそも、製造業で使われているエネルギーを全て、自然電気に置き換えるとしたら、どのくらいの電力量が必要なんでしょう?

原子力発電所は、大概、原子炉が2基とか3基とかありますよね。

原発1基の電力を賄うには、どれくらいの太陽光発電パネルが必要かというと、山手線の内側た同じ広さを埋め尽くさないといけないんです。

火力発電所を無くして、原発も再稼働させないとしたら、関東の場合、福島と茨木、新潟など原発分だけでも、合わせて6基分以上の電力が必要。箱根とか秩父とか山をつぶして太陽光発電に使うしかないですよね。

さて、プラスチックや樹脂製品の自然への影響も大きな問題となってますから、これらの素材も今後は使えなくなるんでしょう。

脱炭素はいいと思うんですけど、CO2ゼロにするなら、文明をすべて手放す覚悟がいるんじゃないの?

もちろん少量の非鉄金属は作れるから、パソコンやスマホが全く作れないわけじゃないけど、恐ろしく高額なぜいたく品になりそうです。マンションも建てられないし、電気自動車は車体が作れませんよね。

よく考えたら、兵器だって作れませんよね。欧米やロシア、中国などが、軍備を手放すとは思えないんだけど。

なので、ある程度は脱炭素出来るだろうけど、ゼロは無理、という話です。