今日もなんだか騒がしい

宣伝スタッフの美姫がラジオのネタを探します。

給与を上げたいのなら、交渉する相手は雇用主。国じゃないよ。

80年代まで、日本は終身雇用と年功序列の企業がほとんどでした。その雇用契約において、毎年のベースアップと雇用年数に応じた昇進と昇給、そして会社の業績に応じたボーナスの支給が保証されていました。

もちろん中小零細企業では、その限りでない会社もありましたが、多くの会社がそうした雇用を行っていました。

さらに、ベースアップの額に関しては、各企業や会社、もしくは業界内の労働組合が労使交渉を行っていました。

少なくても90年代までは、こうした労使の関係により、給与がアップしていたんです。

当時も、ただ黙って働いていれば、給与が上がったわけではなく、そこには雇用契約労働組合の存在があったわけです。

2000年に入ると、転職や離職、そして派遣労働が、徐々に増え、終身雇用や年功序列は事実上終わりを迎えます。

企業として、多くの社員を長期雇用するコストに耐えられなかったり、より優秀な人材に絞った雇用を目的にするなど、雇用の形態と契約を見直したからです。

労働者としても、より自由に職場を選択できる派遣労働や転職がブームとなり、自分の能力を高く売り込むことで、より多くの給与を得ようと考えていました。

また、能力や結果に関係なく、年齢や雇用年数で昇給や昇進が行われる年功序列に、納得できないという不満を持っていた人も少なからずいたようです。

そうして、社会的にも、政治的にも、財界的にも、年功序列と終身雇用に基づく、エスカレーター式のベースアップも、昇給や賞与もなくなってしまったのです。

ただ、役所などの行政機関をはじめとする一部の職種・職業では、いまでも年功序列と終身雇用が残っています。

最低時給が上がったら、あなたの収入は増える?

最低自給をアップすれば、給与が上がるという意見がありますが、それは一部の労働者にとっては正しく、それ以外の労働者にとっては間違いです。

現在、最低自給は地域格差はあるものの、880円~1000円程度でしょう。例えば、この最低時給が全国で1200円に引き上げられたとします。
それまで、1200円未満の時給で雇用されていたのなら、時給は1200円以上になるので、給与が上がります。

しかしながら、1500円以上の時給だったのなら、1700円になったりはしません。

最低時給によって、玉突き的に給与が上がったりはしません。給与、すなわち人件費は企業にとっては必要経費であり、利益を得るために存在します。

資本主義において、企業は利益を追求するための存在なので、利益に見合わない経費を支出することはあり得ません。

短期的に利益を生まない企業活動としては、新規事業や研究開発、事業拡大などがありますが、それは長期的な経営戦力に基づく投資ということになります。

考え方を変えてみましょう。

例えば製造業なら、原材料や部品を調達して製品を生産します。光熱費や通信費も経費になります。それはみなさんの労働力も同じです。

みなさんから、時間と能力を調達して、企業は生産を行っているわけです。

雇用により、労働力を調達するという点では、すべての企業があてはまります。そして、原材料費と同じで出来るだけ安い価格で調達することも、企業にとっては当然なわけです。

どうやったら、給与が上がる?

企業が自ら給与をアップする場合もあります。それは、従業員のモチベーションをアップするためです。ベースアップの場合もあれば、臨時ボーナスということもあります。いずれの場合も、利益が順調に増えている場合に限ります。

では、それ以外に給与をアップするにはどうしたらいいのでしょう。

多くの企業は、能力給と成果主義です。つまり、能力が上がれば給与も上がりますし、結果を出せば給与は上がります。

一部の企業では、業務に有益な資格を取れば、給与がアップすることもありますし、成果報酬が充実しているところもあります。

そうした企業に雇用されているのであれば、資格を取ったり、成果を上げたりすれば給与が上がります。

そんな制度がない企業も多いことでしょう。

ではどうするのか?

現在、同一労働同一賃金が義務付けられていますので、まずは自分の給与が同僚と同じかどうかを確認するといいでしょう。

つぎに、自分の能力を企業や会社に高く買ってもらうことを考えます。同一労働同一賃金とはいえ、能力給は別途支給されるものと考えれば、この部分が重要です。

まずは、上司もしくは雇用主に、能力に応じた給与のアップを要望します。もちろん、頼めば上げてくれるとは限りませんが、あなたの能力が社内で評価されていれば、給与がアップする可能性はあります。

次の方法は、転職です。あなたの能力を高く買ってくれるところに、売り込めばいいわけです。

能力給という考え方は、あなたの能力を企業というお客にいかに高く買ってもらうか、ということでもあるんです。

今の雇用先より、高く買ってくれる企業があるのなら、迷う必要もないでしょう。

そして、転職先がいまより高い給与で雇用してくれるのであれば、それをもとに、現在の雇用主に給与を上げるよう要望することもできます。

もちろん、給与アップしてもらえなければ、転職すればいいわけです。

その他には、何らかの成果。たとえは新規顧客や新規事業の開拓を条件に結果が出た際にインセンティブを得るという方法もあります。

いずれにしても、雇用主に対して給与の交渉をするのは気が引けるというか、そんなことをしたら何かあるんじゃないか、と心配する人もいるかもしれません。

昔であれば、労働組合が労使交渉をしてくれましたが、いまは、個人で交渉するしかない企業がほとんどです。ただし、パワハラとか、モラハラとか、雇用主が嫌がらせや仕返しをすることが難しい世の中になっています。勇気をもって交渉してみてはいかがでしょう。

自分を売り込むことこそが給与アップにつながる

小中学校はもちろんですが、高校も大学も、入学してしまえば、それなりに勉強するだけで、昇級し卒業できます。80年代の企業もそうでした。

それは年功序列で終身雇用だったからです。それでも、より多くの給与を得るために、労働組合を通じて労使交渉で給与のアップを行ってきました。

いまは、能力給、成果主義が世の中の主流であり、多くの企業がそれをベースに給与を支払っています。

自分の能力を高く売り込み、成果に見合った報酬を得られるよう自分自身で雇用主と交渉しなければ、給与をアップさせることはできません。

その点では、正社員でも契約社員でも、収入をアップさせるという点においては、フリーランスとあまり変わらないのかもしれません。