AIとわたしの音楽帖

AI音楽とキャラの語りを記録する“音楽のノート”

AIエージェントは、クラウドの頭脳とローカルの手足へ

最近、AIの話をしていると、よく耳にするようになった言葉があります。

AIエージェント。

でも、そもそもAIエージェントって、普通のチャットAIと何が違うのでしょう。

簡単に言えば、質問に答えるだけではなく、目的に合わせて作業を進めるAIです。

たとえば、資料を集める。必要な部分を整理する。文章を作る。

指定された形式に変換する。完成したファイルを、決められた場所へ保存する。

ここまでを一つの流れとして進めるのが、AIエージェントです。

これまでの生成AIが、文章や画像を作る道具だったとすれば、

AIエージェントは、作ったものを実際の仕事へつなぐ、作業担当者に近い存在なのかもしれません。

では、AIエージェントには、どんな種類があるのでしょう。

よく使われるのが、クラウド型とローカル型という分け方です。

ただ、実際にはこの二つだけでは、少し説明しきれなくなっています。

ChatGPTやClaude、Geminiなどは、基本的にはクラウド上のAIです。

GmailやGoogle Drive、カレンダーなどと接続し、メールを読んだり、予定を確認したりします。

さらに、必要な情報をまとめ、文書を作ることもできます。

このときAIが、人間のように、画面上のボタンを押しているとは限りません。

多くの場合は、アプリ側に用意された接続機能を使います。

必要なデータを読み込み、AIが内容を処理して、再びアプリへ書き戻します。

いわば、正面の入口から入るのではなく、サービス専用の受け渡し口から、

情報を交換しているようなものです。

この方法は速くて、比較的安定しています。

ただし、接続機能が用意されていないソフトは、操作できません。

ここで必要になるのが、ローカル側の自動化です。

代表的な仕組みとして、最近よく名前を聞くのが、OpenClawです。

OpenClawは、単純にマウスやキーボードを、代わりに動かすだけのものではありません。

AIモデルやファイル、スクリプト、コマンドやブラウザなどを組み合わせます。

そして、パソコン上の作業をつなぐための、運用基盤に近いものです。

文章を考える頭脳には、オンラインのAIを使う。

ファイルの整理や変換は、自分のパソコンで行う。

必要なら、ソフトの画面も操作する。

つまり、頭脳はクラウド。手足はローカル。

そんな組み合わせができるわけです。

私が制作しているRadio441にも、この違いは大きく関係しています。

台本を考えたり、英語版へ再構成したり、投稿原稿を作ったりする。

こうした作業は、ChatGPTのような、クラウド上のAIが得意です。

一方で、実際に音声を作るために使っている、VOICEVOXやCeVIO。

音声編集ソフトや動画編集ソフトは、今のところ、オンラインのAIと簡単にはつながりません。

台本を作るところまでは自動化できても、その台本を読み上げソフトへ入れ、音声を書き出す。

編集用のフォルダへ移し、番組用のファイルとして整理する。

この部分には、まだ手作業がたくさん残っています。

もちろん、将来それぞれのソフトに、AIエージェント機能が組み込まれる可能性はあります。

でも、すべてのソフトが同じ仕組みに対応するのを待つより、ローカル側から今あるソフトをつないだ方が、

早い場合もあります。

ただし、マウスやキーボードを、人間のように操作する方法は、

何でもできる反面、不安定でもあります。

ボタンの位置が変わる。突然、確認画面が出る。ソフトの処理が遅れる。

それだけで、エージェントは迷ってしまいます。

ですから、自動化では順番が大切です。

まずは、アプリ専用の接続機能。次に、ファイルの読み書き。

その次に、コマンドやスクリプト。どうしても必要な部分だけ、画面を直接操作する。

何でもマウス操作に任せるのではなく、一番安定する方法を作業ごとに選ぶ必要があります。

そう考えると、これからのAIエージェントは、クラウド型とローカル型のどちらが優れているか。

そんな競争ではない気がします。

重要なのは、クラウドのAIが考えたことを、ローカルの環境でどれだけ確実に実行できるか。

そして、人間が確認すべき場所で、きちんと止まれるかということです。

私もこれから、Radio441の制作を、少しずつ自動化していく予定です。

最初から、番組制作のすべてを、AIに任せるわけではありません。

まずは台本の改行。次に、読み上げソフト用の整形。

その次に、英語版や投稿原稿の作成。

一つずつ工程を決めて、確実に動く形へ変えていきます。

そして最後に、OpenClawのような仕組みで、それぞれの工程を順番につないでいく。

そんな形を考えています。

AIエージェントの未来は、人間に代わって何でも勝手にやってくれる、

万能ロボットではないのかもしれません。

これまで別々だった道具をつなぎ、人間が判断する場所まで、仕事をきちんと運んでくれる。

そんな制作スタッフのような存在へ、近づいていくのではないでしょうか。

クラウドの頭脳と、ローカルの手足。

その二つがつながったとき、AIエージェントは、ようやく私たちの仕事の中で、

本当に役立つ存在になるのだと思います。